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2012年7月18日水曜日

『鉱物と宝石の魅力 つくられ方から性質の違い、日本で取れる鉱物まで』感想


鉱物写真が多くて非常に楽しい。
一応発色などの原理にも触れつつ、鉱物とは何かを知ることの出来る本。
化学式を導入する程度で断り書きを入れているのに、結晶構造とか軌道とかの説明ではそういうものが無いのでなかなかアンバランスな上に、説明はそこまで分かりやすくないけど適宜読み飛ばせば。
カラー写真が豊富な上、後半(全体の半分近く)は鉱物図鑑なので、サイエンス・アイ新書の無駄に厚い紙を活かせているし、適当な新書のように読んだらポイということもないのでトータルでは良書。

2012年7月5日木曜日

『透明金属が拓く驚異の世界 不可能に挑むナノテクノロジーの錬金術 (サイエンス・アイ新書)』感想


透明金属と銘打っているが、そもそも金属と半導体と不導体とは何かなどの話から始まって、透明金属(透明伝導性酸化物)の話につながっていく。また、材料の実際の用途にも所々で触れている点がいいと思った。
ちょっとした脇道としてのコラム(本文でガラスの色について触れた辺りで宝石の色について解説するなど)も充実しているのも。

説明は、この手の新書によくある通り数式などは一切出てこない。なおかつ文体が語りかけるような敬体でやさしげにしているるものの、少し難しいような気もする。バンドギャップとか軌道の話とか。(中高生基準)

材料科学、材料工学に興味あればぜひ。という感じで。

第七章はiPad3に使われるIGZOに繋がる話だよな、とか思いながら読むと楽しい。
※IGZOも細野教授の発明。
http://www.titech.ac.jp/topics/news/detail_2923.html?id=topics
細野秀雄教授
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%B0%E9%87%8E%E7%A7%80%E9%9B%84

2012年3月14日水曜日

『高校化学とっておき勉強法』感想















面白かった。
が勉強法の本ではなく、『化学の発想法-原点からの化学』と同系統の本な印象。角度は違うか。
この本の視点で特に目立ったのは、電気的な説明と幾何的な説明。

高校化学の暗記を強いられるような部分の背景を説明してくれる……気がする。イオン化列とか。
電気陰性度の有用性も実感できた。

大学受験化学バイブルの『化学の新研究』にも載ってないような事柄もあって楽しめた。

また、教科書や参考書のコラムでよくある、スケートはなぜ滑るかなどの解説の不足分も指摘していたのも面白かった。身の回りの現象もなかなかどうして奥深いのだなと。


この本からでも理解できなくないとは思うが、化学IIを予め終えているほうが読みやすいと思う。

2012年3月3日土曜日

『化学の歴史』 感想
















教科書や参考書に小噺的に歴史的な事柄がちょこちょこ乗っていますよね。ああいったものを大まかな流れとして掴める内容です。

いくつか面白かった点を挙げると
1.根本にある思想、哲学、信条の重要性。
原子論とかラボアジェによる正確な測定とか。
ある程度昔は「世界はこうあるべきだ」みたいなものが、仮説を立てる上でも方針となっていたのしょうか。今でも理論物理なんかはとくにきれいな対称性を持っていてほしい、とかがあるイメージですが、いやこう"世界"ってでかいじゃないですか。

2.発見or理論自体は正しいが、背景にある想定は間違っていた。
熱素説あたりのくだりですね。
一例を挙げると酸素と窒素を分離したときに、窒素をフロギストン化空気、酸素が脱フロギストン化空気と熱素説ベースで命名したような。
それでも見えないものを説明しようとした姿勢には驚かされます。

3.簡潔でわかりやすい表記や記号体系はかなりの大発明である。
周期表とか構造式とかですね。
この辺は歴史的な成り立ちを知ることで、改めてありがたみを実感できるような気がします。
メンデレーエフの、あくまで性質を揃えることを重視して、周期表の"空き”を作ったり、原子量順にしたときと多少食い違うことを切り捨てたりした先見の明というか大胆さは本当に素晴らしいです。

化学というか科学がいかに人類の積み重ねなのかを改めて認識出来る本。面白かったです。


ところでアシモフさんって生化学者だったんですね。ロボット三原則を提唱したSF作家だとばかり思っておりました。