2014年12月30日火曜日

『新しい量子化学(上)』感想

理工書は、可能な限りいちいち式展開を自分で追って演習問題が付いていれば解くというのをやると捗る。

B2の終わりころに買った『新しい量子化学(上)』をちゃんと読んだ。具体的な計算の話に入ってからは飛ばし気味だったけれど。
上巻は三章からなる。一章が線形代数とちょっとした数学、二章がHartree-Fock法とそれを超えた近似(CI法や第二量子化)の概観と準備。三章が一番重要な章でHartree-Fock法について。Hartree-Fock方程式を導出し、それを実際に解くに当たってRoothaan方程式を導出して制限閉殻系の実際の計算を行い、その問題点を上げ、非制限閉殻系のPople-Nesbet方程式を導出、同様に数値計算してそこで残る問題も後の章で電子相関を取り込むと改善されるんですよ〜といったところで終わり。量子化学というかHartree-Fock法の本。

問題意識としてHartree-Fock方程式って何ぞや。と思っていたのでそこをだいたい理解できたのでよかった。
スピン軌道から分子全体の波動関数を1個のSlater行列式で近似する。Slater行列式でBorn-Oppenheimer近似の元でのハミルトニアンを挟んで選んで得られるエネルギーが極小を取るようなスピン軌道の組を、スピン軌道が規格直交系である束縛条件のもとで、Lagrangeの未定係数法から求めるとHartree-Fock方程式が出てくる。でその未定係数が対角形になるようにユニタリ変換して正準Hartree-Fock方程式が得られると。この時点で非線形だから繰り返し法で解くしかないし、実際に解くにあたっては、 さらにスピン軌道を適当な基底関数系で行列表示にして云々。
Koopmansの定理(上の未定係数が固定近似をしたときにイオン化エネルギーや電子親和力としての意味を持つ)っていうのがそんなに重要なのか……?と思ったりした。

二電子積分の数がすぐに膨大な数になるから、基底関数の組は計算リソースを考慮して適切に選ばなければならないのが闇っぽい。その上CI法だと行列式の線形結合な上にその行列式の数が組み合わせの数でますます膨大になるしやばい。そりゃDFT主流になるわ。DFTよく知らないけど。あとは、アンモニア分子について計算するのにでもd軌道の対称性を持った基底関数を使わないといけないだとか書いてあって驚いた。
結晶だと原子数的には膨大な数になるけど結晶の並進対称性を考慮すると案外楽に計算できるのかしらん。それでタンパク質なんかの巨大分子や周期性のない固体あたりが鬼門なのかな。

水素分子を例にしたり、練習問題は読むのを停滞させない程度だけれど理解に役立つし、解答が載ってる問題もあったり、化学者の直感に訴えるような解釈の仕方がたまに書いてあったりして良心的な本。良心的といえば、2章と3章で後の章のための準備で章全体の流れからちょっとだけ枝分かれしてるのだけど、そこはあまり好きじゃない。

 下で多体理論として本格的なところに入るっぽい(第二量子化とか)し、"これらの結果が後の章で電子相関の効果を取り込むことで改善される"だとか散見されたので読んでみたいけれども迷う。 揃えたいとは思うけど次にこの手ので読むならDFTの本だよなーみたいなところが。


2014年12月16日火曜日

2014年個人的音楽TOP10

2014年でとくに印象に残った楽曲を10個絞り込み。last.fmやiTunesの再生数には関係ない感じで。コメントは随時追加・更新するつもりでいます。


2014年9月18日木曜日

近況

コンデジ、COOLPIX S9700( http://kakaku.com/item/K0000620055/ )買いました。ちな初カメラ。
ついでにflickrはじめました。https://www.flickr.com/photos/hairpincurve/
こういう風にしたいときはパラメータをどう変えればよいかが何となくわかってきたかなあ、ってくらい。もっと色々撮りたい。

みぞおちの辺りの鈍痛や食後の膨満感と気持ち悪さを感じ、口臭の胃酸臭さを指摘されて病院に行き、初めて胃カメラ飲みました。(鼻から入れるのに飲むでいいのか?)つらくはなかったけれど、鼻の管?が狭いらしいのもあってか、全然楽ではないじゃないですかー!といった感じ。胃の中はとても綺麗だったそうで。他に尿検査や血液検査の結果も問題なく、たぶんストレスとか不規則な生活とかによるものじゃないですかね〜だそう。今は薬が効いたのかほぼ何ともないです。

あと『マッカーリサイモン物理化学(上)』買いました。目当ては『新しい量子化学』ちゃんと読むにあたってちょっと基礎的なところがうろ覚えになっている感じがしたのでその辺の復習と、群論とか分光学とかあたり。サラッと眺めた限り、量子化学初学のときはこれ一強じゃないですかね……と思いました。


2014年1月22日水曜日

今年中にやりたいことリスト

1月も下旬に入ろうとしていることに気づいてしまい、このまま何もせずにあっという間に1年が終わってしまうんじゃないのか……と危機感を感じたので、やりたいことを明確にしよう思った次第。

1.読書
大きな方向性としては1.世界史、2.科学史、3.お飲み物、4.SF、5ミステリ。1.世界史は、通史を2冊ほどと、ヨーロッパのどこかの地域史か〜から見る世界史みたいものを適当に。2.科学史はハードカバーの重い化学史の本と錬金術を踏まえた化学史の本が読みたくて、あとは軽く技術史とか物理学史とか。3.コーヒー、紅茶、ビール、日本酒、ウイスキー、ワインあたりの歴史や文化史や製造法などなどについての本を読みたい。4.SFは方向性問わずにもう少しくらいは定番モノを押さえつつ、神林長平作品をもっと読みたい。5.ミステリというよりかは百鬼夜行シリーズに影響を与えてそうというか、オマージュ元(?)というか、あるいは類似した作品を読みたい。『芋虫』とか。


2.勉強
専門は言わずもがなで。ぼちぼち触媒とか表面科学とかの本読まないとなーーという感じ。あと最近それとは別に量子力学を基礎的な部分からちゃんとやるべきなんじゃないのかとも思いはじめたのでその辺。

3.テイスティング
主に日本酒、できたらウイスキーも。語彙を増やすというか、ある種様式を覚えるみたいなところはありそう。

----------以下は優先度低め-----------
4.DTM
せっかくGarageBand使えるのと一応買ったおもちゃみたいなキーボードがあるのでまあ。一応SoundCloudに上げてるものが無いわけではないけれど、もっとそれらしいのを作りたいなと。

5.ピアノ
もし電子ピアノが買えれば、リハビリして、以前よりずっと弾けるようになって、行く末にはバッハのフランス組曲とかイタリア協奏曲とか弾けるようになりたい(遠い)



2014年1月9日木曜日

NW-F886/P買いました

http://kakaku.com/item/J0000010476/

イヤホンはそこそこいいのhttp://kakaku.com/item/K0000232128/使ってるのに他の再生機器がお粗末すぎるよなあ、とかねがね思っていまして、これが発表されたときからやべえ欲しい、と思っていたのをついに買いました。

Android搭載機なので、iSyncrを使うことで某クソnyアプリを使ったりすることなく無線で楽曲やプレイリストや再生数を同期することができるし、Last.fmにScrobbleもできるし超便利。

聴いてみて何より思ったことはいかに今までドブルベヌメロドゥの性能を引き出せていなかったかですね。付属イヤホンや外用に使っているMDR-XB90EXとの聴き比べたときの違いが以前よりも圧倒的にはっきりして、腹に響くようなドラム、力強くはっきり主張するベース、ボーカルの細やかな息遣い、湿ったようなシンセ、遠くまで響くピアノ、色気や残響感にあふれたストリングスやギター、と音楽聴くのが楽しすぎるし最高の人生って感じがします。